2013年10月10日木曜日

中国でも『半沢直樹』が大人気だった本当の理由

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サーチナニュース 2013/10/10(木) 12:21
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=1010&f=national_1010_021.shtml

中国でも『半沢直樹』が大人気だった本当の理由

  「中国でも『半沢直樹』が流行っている」
というニュースを既にご覧になられたことがあると思います。
 「倍返し」は中国語で「加倍奉還(ヂアベイ・フォンホアン)」と言うそうです。
 このドラマが傑出した作品で、上司への復讐(ふくしゅう)劇が中国でも受け入れられたことも事実です。
 しかし、中国でも大ヒットとなった理由について、あまり日本で語られていないことがあります。

  まず『半沢直樹』が中国のテレビ局で放送された訳ではありません。
 中国では“海賊版”文化が日本の常識では計り知れないほどに浸透しています。
 『半沢直樹』もそれによって多くの中国人に視聴されたゆえ、大ヒットとなったのです。

  中国では90年代まで、多くの日本のドラマやアニメがテレビ放送をされていました。
 私自身、95年の初留学時代に中国語に吹きかえられた『3年B組金八先生』や『ひとつ屋根の下』などのドラマを見ていたものでした。

  しかし、2000年代からは日本のドラマは韓流に押されたこともあり、全く見ることがなくなりました。

  一方、日系企業の誘致が進む都市部では日本語学習熱が高まっていました。
 その日本語学習者の欲求を満たすものが“海賊版”DVDだったのです。
 当時の値段で一枚100円前後だったと思います。
 そんな安価で手軽に日本の番組を見られる状況が当時から中国にはありました。

  2010年代にはPCやインターネットの普及により、DVDではなくオンラインで“海賊版”を楽しむのが主流になりました。
 そして今ではネット回線を通し、ドラマ以外の日本のテレビ番組もリアルタイムで見られるようにもなっており、中国各地隅々から日本の情報が得られる状況にもなっています。

  2012年に尖閣諸島問題が大きくとりあげられるようになってからは、中国政府の統制により、ネット上から全ての日本の番組が消え、書店からは日本の書籍すらなくなりました。
 しかし、時間が経つとネット上にはすぐに日本のドラマが復活をしてきました。

  つまり、日本で生活の経験がある中国人、現地日系企業で働く中国人、そして日本語学習者にとっての日本ドラマに対するニーズは途絶えたことがなかったのです。

  『半沢直樹』は確かにクチコミでじわじわと人気を上げていきました。
 しかし、そのキッカケをつくったのは、やはり普段から日本ドラマを見ていたネットユーザー達だったのです。

  そして、主人公の半沢直樹を演じた堺雅人の人気はもともと絶大なものがありました。
 2012年7月に私が新浪微博(中国版ツイッター)上でとったアンケートを見れば、それは一目瞭然です。

  2000年初頭は圧倒的人気を誇っていたはずの木村拓哉に1000票近くの差(投票者数7287人)をつけての第1位が堺雅人でした。
 つまり、この下地があって、今回『半沢直樹』が中国で大ヒットしたのです。



  『半沢直樹』の放送が終了した今、すでに中国人ファンからは堺雅人主演で10月から放送される『リーガルハイ』が大注目されています。
 そこでの堺雅人の演技は中国人ファンを必ずや、更に増やしてくれることでしょう。

  “海賊版”文化は決して良いことではありません。
 しかし、国の統制を突き破って海外の情報を吸収する有効なツールにもなります。
 逆に今の日本ではなかなか中国の番組を見ることが出来ず、日本のマスコミによる偏った情報しか入ってこない気がします。

  相互理解が深まれば、交流も増え、相互の信頼も高まります。
 「日本側でも中国の人々の日常が垣間見れるような情報ツールがもっともっとあればいいのにな」と思います。

(執筆者:丸尾達 提供:中国ビジネスヘッドライン)



レコードチャイナ 配信日時:2013年10月30日 20時53分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=78454&type=0

「半沢直樹」に共感するアジアのサラリーマン、韓流抑え再び日本ブーム到来か―香港紙


●28日、ドラマ「半沢直樹」は台湾でも放送され、大人気に。理不尽な会社組織や上司と真っ向から闘う主人公の生きざまが、台湾や香港の人々にも支持されている。

 2013年10月28日、香港紙・明報は「『倍返し』と『半沢直樹現象』」と題した記事を掲載。
 日本の人気ドラマ「半沢直樹」で、理不尽な会社組織や上司と真っ向から闘う主人公の生きざまが、台湾や香港の人々にも広く支持されていると伝えた。

 80年代の「おしん」、90年代の「東京ラブストーリー」に代表される日本のテレビドラマは、当時の東南アジアや東アジアでも大人気だった。
 しかし、その後は10年以上も韓流ドラマブームが続いている。
 そんななか、日本で21世紀最高の視聴率をたたき出した「半沢直樹」は、台湾でも最終回が日本ドラマ専門放送局の史上最高視聴率を記録。
 「倍返しだ!(加倍奉還)」のセリフは台湾人の間で流行語にもなっている。

 「半沢直樹」は日本の企業文化を反映しているが、東南アジアの職場にも共通する点が多くある。
 5億円の不良債権の責任を会社や上司から押し付けられ、その回収を誓いながら、不正を働く上司には勇気をもって敢然と立ち向かう主人公の姿に、日本のサラリーマンだけでなく、アジアの人々も共感を覚えたようだ。
 このドラマをきっかけに、「韓流ブーム」を抑えて再び「日本ブーム」が到来するかもしれない。





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